1. 外国人にとって日本の健康保険が分かりにくい理由
日本には2つの公的保険制度が並行して存在し、自分がどちらに該当するかは雇用形態で決まります。会社員は「社会保険(しゃかいほけん)」、それ以外(フリーランス、学生、自営業、無職)は「国民健康保険(こくみんけんこうほけん=国保)」です。どちらか一方にしか入れません。
2つ目の混乱の原因は、母国との制度の違いです。アメリカ出身者は民間保険を選ぶ仕組みに慣れています。イギリス出身者は全額公費負担のNHSが前提です。日本はその中間で、全員が保険料を払い、全員が同じ基本保障を受け、受診時に3割を窓口で支払います。
3つ目はタイミングです。住民登録から14日以内に加入手続きをするのが原則です。この期限を過ぎても加入自体はできますが、未加入期間の保険料を遡って請求される場合があります。住居や銀行を先に片づけているうちに気づかず過ぎてしまう人が多いです。
最後に、「高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)」の存在を知らない外国人がとても多いです。この制度は、月の自己負担額に所得に応じた上限を設けるもので、一般的な収入の現役世代で約80,100円、低所得者で約35,400円が目安です。これを知らないと、入院や手術の費用に過度の不安を抱えることになります。
- 2つの制度:社会保険(会社員)と国民健康保険(それ以外)。
- 3割負担が、ほぼすべての保険適用治療に適用される。
- 住民登録後14日以内の加入が原則。
- 高額療養費制度で月の自己負担に上限がある。
- 旅行保険や海外の民間保険では日本の公的制度を代替できない。