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外国人が日本でアパートを借りる方法:賃貸ガイド

初期費用の仕組み、保証人制度、必要書類から契約・入居手続きまで、外国人が日本で部屋を借りるための実践ガイドです。

8分で読めます更新日 2026年3月21日

課題

多くの外国人が初期費用の大きさに驚き、保証人制度に戸惑い、日本語の契約書の重要な条件を見落としてしまいます。賃貸情報の多くが日本人向けに書かれているためです。

かんたん解説

日本で住まいを見つけることは、来日後の最重要タスクのひとつであり、同時にストレスの大きいタスクでもあります。制度が他国と大きく異なり、言語の壁が契約内容の理解をさらに難しくします。

このガイドでは、外国人として日本で部屋を借りるときの現実を扱います。独特なコスト構造、必要書類、保証人制度、物件探しから入居までの流れを、高い費用を払って失敗する前に理解できるように書いています。

日本の賃貸市場は外国人を排除するために作られたわけではありませんが、保証人、礼金、更新料など、日本で育った人には当たり前でも外国人には驚きとなる前提の上に成り立っています。事前に知っておくことが、スムーズな引っ越しと高額な失敗の分かれ目になります。

1. 外国人にとって日本の賃貸が独特な理由

日本の賃貸制度には、他国にはない特徴がいくつもあります。礼金(れいきん)は大家への返金不要の謝礼です。敷金(しききん)は欧米のデポジットとは運用が異なります。保証人が求められ、多くの大家が外国人よりも日本人の保証人を好みます。

差別は現実の問題です。一部の大家や管理会社は外国人への賃貸を断ることがあり、これは現行の日本の法律で完全には禁止されていません。大都市を中心に状況は改善していますが、「日本人限定」と記載された物件やそれとなく外国人を避ける不動産会社に出会う可能性はあります。

言語の壁がすべてを複雑にします。賃貸契約書はほぼ例外なく日本語で作成され、法的拘束力があるのは日本語の本文です。更新料(こうしんりょう)、原状回復費(げんじょうかいふく)、中途解約違約金などの重要な条件は、契約書が読めなければ見落としやすくなります。

  • 礼金(れいきん)は返金不要 — 通常は家賃0〜1ヶ月分で、多くの国に同等の制度はない。
  • 保証人(ほしょうにん)がほとんどの契約で求められるが、保証会社(ほしょうがいしゃ)で代替できるケースが増えている。
  • 外国人の入居を断る大家もいる。外国人に慣れた不動産会社を選ぶと対処しやすい。
  • 賃貸契約は日本語が法的に有効。署名前にすべての条項の説明を受けること。
  • 更新料(こうしんりょう)— 2年ごとに家賃1ヶ月分が一般的で、初めての賃貸では見落としやすい。

2. 日本の賃貸コストの仕組み

多くの外国人にとって最大の驚きは初期費用の大きさです。日本のアパートに入居するには、一般的に家賃4〜6ヶ月分の費用が鍵を受け取る前に必要です。これは詐欺ではなく標準的な仕組みですが、多くの人が想定外の出費に困惑します。

初期費用の内訳は通常以下の通りです。敷金(しききん)1〜2ヶ月分、礼金(れいきん)0〜1ヶ月分、仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)最大1ヶ月分+税、保証会社費用0.5〜1ヶ月分、火災保険年間約15,000〜20,000円、鍵交換費15,000〜25,000円、そして初月の家賃(日割りの場合あり)。

初期費用以外にも、日本の不動産用語で「アパート」と「マンション」の違いを理解しておきましょう。アパートは一般に小規模な木造建築で家賃が低め。マンションは大規模なRC造(鉄筋コンクリート)で防音性が高く家賃も高めです。どちらも英語の意味とは異なります。

  • 初期費用は家賃4〜6ヶ月分を想定 — 例外ではなくこれが標準。
  • 敷金(しききん):1〜2ヶ月分。退去時のクリーニング・修繕費を差し引いて一部返金。
  • 礼金(れいきん):0〜1ヶ月分。完全に返金不可。
  • 仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう):家賃の最大1ヶ月分+消費税10%。不動産会社へ支払う。
  • 保証会社費用:初回は家賃0.5〜1ヶ月分。その後年間約10,000円の更新料がかかることも。
  • 火災保険:年間約15,000〜20,000円。ほぼ全ての大家が加入を義務づけている。
  • 鍵交換費:15,000〜25,000円。入居時にほぼ必須。
  • 更新料(こうしんりょう):通常2年ごとに家賃1ヶ月分 — 継続的なコストとして予算に入れること。

3. 外国人がよくやる賃貸の失敗

最も高くつく失敗は、初期費用の見積もり不足です。多くの外国人が敷金と初月家賃だけを想定し、入居に家賃4〜6ヶ月分の現金が必要だと気づくのは手遅れになってからです。その時点で、確保できない物件に時間を使ってしまっていることもあります。

もう一つの典型的な失敗は、契約内容を読まない・理解しないことです。更新料、中途解約違約金、原状回復義務、ペットや来客に関する規定はすべて契約書 — 日本語の — に記載されています。重要事項説明(じゅうようじこうせつめい)を飛ばしたり、理解できないまま頷いたりすると、実際の金銭リスクが生じます。

  • 初期費用全体を予算に入れていない — 欧米式のデポジットだけを想定してしまう。
  • 重要事項説明(じゅうようじこうせつめい)を流してしまう、または質問しない。
  • 中途解約条項を確認していない — 最初の更新期間前の退去にはペナルティがかかることがある。
  • 更新料(こうしんりょう)の存在を忘れる — 2年ごとに家賃1ヶ月分は標準。
  • 敷金が全額返ってくると思い込む — クリーニング費や軽微な修繕費の控除は通常行われる。
  • 引っ越し後14日以内に区役所で住所変更届を出し忘れる — これは法律上の義務。

手順

やさしい進め方

手順 1

物件を探す

やること

  • まずはオンラインポータルで希望エリアの相場と空き状況を確認しましょう。主要な日本語ポータルはSuumo(suumo.jp)とHomes.co.jp。英語対応のサイトはReal Estate Japan(realestate.co.jp)やGaijinPot Apartments(apartments.gaijinpot.com)があります。
  • 候補を絞ったら、不動産屋(ふどうさんや)に直接足を運びましょう。ネットに出ていない物件を紹介してもらえることもあり、申し込み手続きも代行してくれます。外国人の対応に慣れた不動産屋を選ぶと、保証人や書類の問題がスムーズに進みます。
  • 予算は現実的に設定しましょう。月々の家賃予算に加えて、その4〜6倍の現金が契約時に必要です。日本語に不安がある場合は、英語対応の不動産屋を優先するか、日本語が話せる友人に同行してもらいましょう。

なぜ大事か

物件探しの段階で期待値が決まります。コスト構造や保証人制度を理解せずに探し始めると、確保できない物件や予算に合わない物件に時間を費やしてしまいます。

必要なもの

  • 想定される初期費用を含めた明確な月額予算
  • 希望エリア、通勤・通学の条件、最低限の広さ
  • 外国人対応の不動産屋が必要かどうかの判断

よくある詰まりどころ

  • 初期費用の合計を確認する前に物件に決めてしまう
  • ネット掲載の物件がすでに成約済みであることに気づかない — 日本の賃貸市場は動きが速い
  • 外国人対応の経験がない不動産屋を選び、大家が難色を示した時点で話が進まなくなる
実務メモ: 複数の不動産屋を回りましょう。同じ物件でも不動産屋によって手数料が異なることがあり、外国人向けに仲介手数料を割引してくれる会社もあります。

手順 2

書類を準備する

やること

  • 在留カード(ざいりゅうカード)、収入証明(給与明細、雇用証明書、または源泉徴収票)、印鑑(いんかん)を準備するか、大家が署名を受け付ける場合はその旨を確認しましょう。
  • 日本国内の緊急連絡先を用意してください。ほとんどの申し込みで、保証人とは別に日本在住の連絡先が求められます。友人、同僚、勤務先の担当者などが該当します。
  • 勤務先が在籍証明書(ざいしょくしょうめいしょ)を発行できる場合は、早めに取得しましょう。自営業の方は確定申告書や銀行の取引明細が代わりに必要になることがあります。

なぜ大事か

書類の不備は、申し込みが滞る・却下される最も一般的な原因です。申し込み前にすべてを揃えておくことで、大家や管理会社に「準備のできた入居希望者」という印象を与えられます。

必要なもの

  • 在留カード(原本)
  • 収入証明 — 給与証明書、雇用契約書、または直近の源泉徴収票
  • 緊急連絡先の情報(日本在住の方の氏名・電話番号・住所)
  • 印鑑(いんかん)、または署名で可とする確認
  • 勤務先の在籍証明書(ざいしょくしょうめいしょ)— 取得可能な場合

よくある詰まりどころ

  • 収入証明を用意していない — 来日直後や自営業の方に特に多い問題
  • 在留カードの住所が古いままで申込書と一致しない
  • 日本国内の緊急連絡先がおらず、申し込み時に慌てて探す
実務メモ: 部屋探しを始めたら、すぐに勤務先に在籍証明書の発行を依頼しましょう。発行に数日かかることがあり、大家によってはこれがないと手続きを進めてくれないことがあります。

手順 3

申し込み・保証人の手配

やること

  • 不動産屋を通して申込書を提出します。不動産屋が大家と管理会社へ書類を転送し、審査(しんさ)が行われます。審査は通常3〜7営業日です。
  • 連帯保証人(れんたいほしょうにん)を立てるか、保証会社(ほしょうがいしゃ)を利用するかを決めましょう。多くの外国人は保証会社を利用します。収入要件を満たす日本人の個人保証人を見つけるのは難しいためです。保証会社の費用は初回で家賃0.5〜1ヶ月分です。
  • 審査中に、管理会社が勤務先や緊急連絡先に電話で在籍・情報確認を行うことがあります。関係者には事前に「確認の電話が来るかもしれない」と伝えておきましょう。

なぜ大事か

審査は、外国人の申込者が断られることが多い段階です。経済的な理由だけでなく、大家が日本人入居者を好むケースもあります。経験豊富な不動産屋と保証会社を使うことで、承認の可能性が大幅に上がります。

必要なもの

  • 記入済みの申込書(不動産屋で受け取る)
  • 書類準備ステップで用意した全書類
  • 不動産屋が提携する保証会社、または収入要件を満たす個人保証人
  • 勤務先・緊急連絡先への確認電話が来る可能性の事前共有

よくある詰まりどころ

  • 個人保証人が簡単に見つかると思い込む — 多くの日本人の友人は金銭的責任を引き受けられない、または引き受けたがらない
  • 勤務先に確認電話のことを伝えず、混乱や確認失敗を招く
  • 大家が一律で外国人不可の方針を持つ物件に申し込んでしまう — 良い不動産屋はこれを事前にフィルタリングする
実務メモ: 不動産屋に「この大家は外国人に貸してくれるか」「どの保証会社と提携しているか」を最初に確認しましょう。条件に関わらず却下される申し込みに時間を使わずに済みます。

手順 4

契約を確認・署名する

やること

  • 重要事項説明(じゅうようじこうせつめい)に出席してください。これは宅建士(たっけんし)の資格を持つ担当者が、物件の詳細、契約条件、特約事項を説明する法定の手続きです。説明は日本語で行われます — 翻訳要約を依頼するか、通訳できる人を連れていきましょう。
  • 金銭に関わるすべての条件を確認しましょう。月額家賃、管理費(かんりひ/きょうえきひ)、更新料(こうしんりょう)、中途解約違約金、退去時の原状回復義務。解約の事前通知期間 — 通常1〜2ヶ月前 — も確認してください。
  • 契約書に署名し、初期費用を全額支払います。すべてのコピーを保管してください。法的拘束力があるのは日本語の本文です。署名前に各条項の意味を理解していることが重要です。

なぜ大事か

契約書は入居期間中の金銭的義務を規定します。更新料、中途解約違約金、原状回復費を誤解すると、数十万円単位の想定外の請求につながる可能性があります。

必要なもの

  • 印鑑(いんかん)または署名(契約書の指定に従う)
  • 初期費用の全額を振込できる準備(銀行振込が最も一般的)
  • 法律用語に対応できるレベルの日本語力、または通訳者
  • 署名済み契約書と全領収書の自分用コピー

よくある詰まりどころ

  • 重要事項説明(じゅうようじこうせつめい)を内容を理解しないまま流してしまう
  • 原状回復義務の具体的な範囲を確認しない — 「原状回復」は高額な費用になりうる
  • 管理費(かんりひ)が家賃とは別に毎月かかることを見落とす
  • 最初の契約期間前に退去した場合の中途解約違約金の存在を知らない
実務メモ: 契約日の前に、初期費用の明細一覧を書面でもらいましょう。更新料、解約ルール、自分の部屋の「原状回復」が何を意味するかを理解するまでは署名しないでください。

手順 5

入居・他の手続きと接続

やること

  • 引っ越し後14日以内に、市区町村の窓口(しやくしょ/くやくしょ)で住所変更届(転入届)を提出してください。これは法律上の義務であり、在留カード、保険、その他の登録に影響します。
  • ライフラインを開通させましょう。電気と水道は電話やオンラインで手続きできることが多いですが、ガスは対面の開栓立ち会いが必要です。入居日が決まったらすぐに予約しましょう。
  • 銀行、勤務先、その他のサービスに住所変更を届け出てください。在留カードに旧住所が記載されている場合は、同じ区役所訪問で住所の裏書更新も行いましょう。

なぜ大事か

住所登録は法的義務です。遅れると在留カードの情報が実態と一致せず、銀行手続き、保険、住所確認を伴うあらゆる申し込みで問題が起きます。

必要なもの

  • 在留カード(区役所での住所変更のため)
  • 新しい賃貸契約書、または新住所が確認できる書類
  • ライフライン開通のための入居日
  • 電気・ガス・水道の連絡先(大家や不動産屋からの入居案内に記載されていることが多い)

よくある詰まりどころ

  • 住所登録の14日以内の期限を過ぎる — 最大50,000円の過料の可能性がある
  • ガスの開栓立ち会いの予約を忘れて数日間お湯が使えない
  • 銀行や勤務先の住所変更を忘れ、給与や郵便物が旧住所に届く
実務メモ: 住所登録とライフライン手続きは入居後1週間以内に完了させましょう。ガスが最大のボトルネックです。引っ越し繁忙期(3〜4月)は予約枠がすぐ埋まるため、できるだけ早く開栓の予約を取ってください。

注意しておきたい点

  • 賃貸条件は物件、大家、地域によって大きく異なります。最新の条件は必ず不動産屋または大家に直接確認してください。
  • 外国人に対する入居差別は存在し、現行の日本の法律では完全には禁止されていません。断られた場合は、外国人対応に慣れた不動産屋を試してください。
  • このガイドは一般的な情報を提供しています。契約前に必ず実際の契約条件を確認し、公式の要件を確かめてください。
  • ここに記載のコスト、手数料、手続きは2026年初頭時点の一般的な慣行です。最新情報は公式の情報源で確認してください。

賃貸ガイド

公式リンク

必要書類や対象条件は変わることがあります。申込や来庁の前に、必ず一次情報で最新条件を確認してください。

国土交通省:賃貸住宅ガイドライン

賃貸契約と入居者の権利に関する国土交通省の公式ガイドラインです。

Real Estate Japan

英語対応の物件検索ポータル。外国人が物件探しを始めるのに便利です。

Suumo

日本最大級の物件ポータル。日本語ですが、相場観や空き状況の把握に役立ちます。

デジタル庁:転出届・転入届オンライン

引っ越しに関連する行政手続きの公式情報。マイナポータルでの手続き対応状況を確認できます。

国民生活センター

消費者相談窓口。賃貸トラブルを含む各種紛争に対応しています。多言語対応あり。

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FAQ

ガイドFAQ

このガイドに関するよくある質問です。

外国人でも日本でアパートを借りられますか?

はい。多くの外国人が日本でアパートを借りていますが、一部の大家は外国人の入居を断ることがあります。外国人対応に慣れた不動産屋と組むことで、選択肢が大幅に広がります。

礼金(れいきん)とは何ですか?払わなければいけませんか?

礼金は大家への返金不要の支払いで、通常は家賃0〜1ヶ月分です。日本の長年の慣習で、標準的なコスト構造の一部です。礼金ゼロを謳う物件もありますが、代わりに家賃が高かったり他の費用が上乗せされていることがあります。

日本で賃貸するには保証人が必要ですか?

ほとんどの契約で、連帯保証人(れんたいほしょうにん)か保証会社(ほしょうがいしゃ)の利用が求められます。多くの外国人は保証会社を利用しており、初回費用は家賃0.5〜1ヶ月分です。

アパートを借りるのに初期費用はいくら必要ですか?

家賃4〜6ヶ月分を想定してください。内訳は敷金、礼金、仲介手数料、保証会社費用、火災保険、鍵交換費、初月の家賃です。

日本語ができなくてもアパートは借りられますか?

可能です。特にReal Estate JapanやGaijinPot Apartmentsなど英語対応のポータルや不動産屋を利用すれば探しやすくなります。ただし、賃貸契約書は日本語が法的に有効なので、署名前にすべての条件について明確な説明を受けてください。

退去時はどうなりますか?

契約書に記載された期間(通常1〜2ヶ月前)の事前通知が必要です。退去時に大家が室内を検査し、原状回復義務(げんじょうかいふく)に基づいてクリーニング費・修繕費が敷金から差し引かれます。残額があれば返金されます。

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